【解説】新しい「譲渡担保法」のポイント
~動産・債権を活用した資金調達のルールが変わります~
これまで、機械・在庫(動産)や売掛金(債権)を担保にお金を借りる「譲渡担保」には、ハッキリとした法律の条文がありませんでした。令和7年に成立した新しい法律により、これらのルールが明確になり、より安心して利用できるようになります。
1 そもそも何が変わるのか?(立法の背景)
①ルールを明文化・明確化
これまでは「裁判の例(判例)」を頼りにしていましたが、法律として正式に規定されました。
②融資を受けやすく
「目に見えない担保」によるトラブルを防ぎ、金融機関が安心して融資できる環境を整えます。
③事業再生を支援
万が一の際、会社がいきなり全ての資産を失って倒産してしまわないよう、再起のためのルールが設けられました。
2 知っておきたい3つの主要なルール
① 担保に入れても「そのまま使える」
・工場や店舗の機械、倉庫の在庫などを担保に入れても、そのまま使い続けたり、商売に利用したりできることが法律に明記されました。
・倉庫の在庫のように中身が入れ替わるもの(集合動産)や、将来発生する売掛金(集合債権)も、まとめて担保にすることが可能です。
② 「早い者勝ち」のルールが変わる(占有改定劣後ルール)
・これまでは、口約束に近い「占有改定(形の上だけで持ち主を変えること)」でも権利が認められていました。
・これからは、「動産・債権譲渡登記」などの公的な登録をした人が優先されます。
・【重要】 すでに担保を取っている方も、施行から2年以内に「順位保全の登記」をしないと、後から登記した人に順番を抜かれる可能性があります。
③ もしもの時の「セーフティネット」
ア 2週間の猶予
銀行などが担保を回収しようとしても、開始から2週間が経過するまでは効果が発生しません。この間に、事業再生の準備ができます。
イ 組入制度(くみいれせいど)
担保が回収された際、その代金の一部(最大10%程度)を、従業員の給料などの支払原資として確保する仕組みができました。
3 今後のスケジュール
・施行時期 令和9年(2027年)12月までにスタートします。
※詳細については、法務省のホームページも併せてご確認ください。
