平成28年2月新潟市早期景気観測調査結果

【概要】景況は引き続き足踏み状態、先行きは改善を示すも力強さには欠く

  1月に比べると、業況DIでやや改善した以外は若干下降しており、依然として景気回復への足取りは重く、実感に乏しいものとなっている。前月同様に原油価格の下落が続いており、原材料費や燃料費の減少はあるものの、長引く売上不振やサービス業(特に輸送関係)では慢性的な人手不足を訴える事業所が多い。
 先行きについては、1月に比べ売上DIと採算DI・従業員DIで上昇を示したものの、仕入単価DIと業況DIではマイナス幅を拡大しており、回復期待はある一方で慎重な見方も残っている。




【前年同月比】

H27年
2月
3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 H28年
2月
売上 ▲ 11.6 ▲ 11.4 ▲ 3.8 3.9 3.9 ▲ 6.8 3.9 ▲ 6.5 ▲ 2.9 ▲ 14.0 ▲ 6.7 ▲ 8.7 ▲ 11.8
採算 ▲ 17.9 ▲ 28.6 ▲ 8.6 4.9 1.0 ▲ 1.9 ▲ 1.0 ▲ 12.0 ▲ 3.9 ▲ 8.6 ▲ 9.6 ▲ 14.1 ▲ 16.1
業況 ▲ 13.7 ▲ 21.0 ▲ 12.4 2.9 4.8 ▲ 4.9 ▲ 1.9 ▲ 10.9 ▲ 13.5 ▲ 19.4 ▲ 14.4 ▲ 22.8 ▲ 15.1
仕入単価 ▲ 28.4 ▲ 41.0 ▲ 35.2 ▲ 35.3 ▲ 29.8 ▲ 28.2 ▲ 26.0 ▲ 23.9 ▲ 34.6 ▲ 19.4 ▲ 16.4 ▲ 12.0 ▲ 14.0
従業員 23.2 17.1 16.2 15.7 16.4 23.3 19.2 18.5 23.1 15.1 21.2 19.6 19.4


1.調査概況報告

【全産業平均DI】 
 
 全産業の前年同月比では、1月に比べ業況DIでマイナス幅が7.7ポイント縮小したものの、売上DIで
3.1ポイント、採算DI・仕入単価DIで2.0ポイントそれぞれマイナス幅が拡大し、従業員DIでは、
プラス幅が0.2ポイント縮小した。
 先行きは、売上DIで5.4ポイント、従業員DIで9.6ポイントそれぞれプラス幅が拡大し、採算DI
でマイナス幅が4.3ポイント縮小したものの、仕入単価DIでマイナス幅が9.7ポイント拡大し、業況DI
では6.5ポイント下降しマイナスに転じた。



【業種別DI】 

  建設業は前年同月比で1月に比べ、売上DIと採算DIでマイナス幅が拡大したものの、仕入単価DIで3.8
ポイント、業況DIで15.0ポイントそれぞれマイナス幅が縮小し、従業員DIでプラス幅が5.0ポイント拡
大した。先行きは、売上DI・従業員DI・業況DIでプラス幅が拡大したものの、採算DIで16.3ポイント、
仕入単価DIで21.3ポイントそれぞれ下降しマイナスに転じた。

 製造業は前年同月比で1月に比べ、仕入単価DIでマイナス幅が4.5ポイント拡大したものの、従業員DIで
プラス幅が拡大し採算DIと業況DIでマイナス幅が縮小したほか、売上DIで26.1ポイント上昇しプラスに
転じた。先行きは、従業員DIで横ばいだったものの、売上DIと採算DIでプラス幅が縮小し、仕入単価DIで
15.0ポイント、業況DIで30.3ポイントそれぞれ下降しマイナスに転じた。

 卸売業は前年同月比で1月に比べ、売上DIと採算DIでマイナス幅が縮小したものの、業況DIでマイナス幅
が拡大し仕入単価DIでは11.9ポイント下降しマイナスに転じた。先行きは、採算DIと従業員DIでマイナ
ス幅がそれぞれ6.3ポイント縮小したものの、売上DIと業況DIでプラス幅が縮小し、仕入単価DIでは11
.1ポイント下降しマイナスに転じた。

 小売業は前年同月比で1月に比べ、従業員DIでプラス幅が14.4ポイント拡大したものの、売上DIでマイ
ナス幅が34.4ポイント拡大したほか、採算・仕入単価・業況の各DI値でマイナス幅が拡大した。先行きは、
仕入単価DIでマイナス幅が拡大したものの、売上DIでプラス幅が14.4ポイント拡大したほか、採算・従業
員・業況の各DI値でプラス幅が拡大した。

 サービス業は前年同月比で1月に比べ、仕入単価DIと業況DIでマイナス幅が縮小したものの、従業員DIで
プラス幅が縮小し採算DIでマイナス幅が拡大したほか、売上DIで7.1ポイント下降しマイナスに転じた。先
行きは、業況DIのみマイナス幅が若干拡大したものの、売上DIでマイナス幅が18.1ポイント縮小したほか
採算DIと仕入単価DIでもマイナス幅が縮小し、従業員DIでプラス幅が13.3ポイント拡大した。




【項目別評価】

<売上>
 売上DIの前年同月比は、卸売業でマイナス幅が縮小し、製造業でプラスに転じたものの、小売業で
マイナス幅が34.4ポイント拡大したほか建設業・サービス業でも下降したことから、全産業合計で
はマイナス幅が3.1ポイント拡大した。
 先行きについては、製造業・卸売業でプラス幅が縮小したものの、サービス業でマイナス幅が18
.1ポイント縮小したほか、建設業・小売業でもプラス幅が拡大したことから、全産業合計ではプラス
幅が5.4ポイント拡大した。

<採算>
 採算DIの前年同月比は、製造業・卸売業でマイナス幅が縮小したものの、小売業でマイナス幅が1
3.3ポイント拡大したほか、建設業・サービス業でも下降となったことから、全産業合計ではマイナ
ス幅が2.0ポイント拡大した。
 先行きについては、建設業で16.3ポイント下降しマイナスに転じたものの、小売業でプラス幅が
13.3ポイント拡大したほか卸売業・サービス業でマイナス幅が縮小したことから、全産業合計では
マイナス幅が4.3ポイント縮小した。

<仕入単価>
 仕入単価DIの前年同月比は、建設業・サービス業で若干マイナス幅が縮小したものの、卸売業で1
1.9ポイント下降しマイナスに転じたほか製造業・小売業でマイナス幅が拡大したことから、全産業
合計ではマイナス幅が2.0ポイント拡大した。
 先行きについては、サービス業のみマイナス幅が縮小したものの、建設業で21.3ポイント下降し
マイナスに転じたほか製造業・卸売業・小売業でマイナス幅が拡大したことから、全産業合計ではマイ
ナス幅が9.7ポイント拡大した。

<従業員>
 従業員DIの前年同月比は、小売業などでプラス幅が拡大したものの、サービス業でプラス幅が4.
1ポイント縮小したことから、全産業合計ではプラス幅が0.2ポイント縮小した。
 先行きについては、建設業でプラス幅が20.0ポイント拡大したほか、卸売業・小売業・サービス
業でも上昇したことから、全産業合計ではプラス幅が9.6ポイント拡大した。

<業況>
 業況DIの前年同月比は、卸売業・小売業でマイナス幅がやや拡大したものの、サービス業でマイナ
ス幅が16.1ポイント縮小したほか建設業・製造業でもマイナス幅が縮小したことから、全産業合計
ではマイナス幅が7.7ポイント縮小した。
 先行きについては、建設業・小売業でプラス幅が拡大したものの、製造業で30.3ポイント下降し
マイナスに転じたほか卸売業・サービス業でも下降したことから、全産業合計では6.5ポイント下降
しマイナスに転じた。




業界から寄せられた声


<建設業>

(土木工事) : 前年実績より緩やかながら好調。民間建築は好調、公共工事が減少している。業界としては先行き不透明感あり。

(左官工事) : 公共、民間工事とも仕事量が少なく厳しい状況です。


(電気工事) : 採算性がよくなってきているため、業況も安定してきている。


<製造業>

(食料品) : 気温が高めなので冬期商品の売上げが悪い反面通常の商品が少々伸びている。


(建設用・建築用金属製品) : 県内の建設需要は昨年に比べ勢いに欠ける。この状態は暫く続くと思われる。勢いのあった首都圏の大型工事も設計遅れ・規模縮小など、動きは鈍く端境期であるが、オリンピック関連が今後動き始めるので先行きは期待できる。

(食料品) : 得意先からの納品価格の値下げ依頼が多くなりつつある。

<卸売業 >

繊維品 小売店の高齢化、後継者不足による倒産、廃業が多く売上が出ません。商店街の衰退化が加速している。

青果物 : 売上増ながら、人件費等経費の増加により採算性の悪化が見られる。

<小売業>

(自動車) : 新車販売において、登録車は前年並みに回復してきたが軽自動車の前年割れが続いている。3月いっぱいはこの傾向が続く。

(スーパー) : 特にスキルを必要とする鮮魚・レジ部門の現場での後継者育成がままならず、また、欠員がでて採用募集しても集まらない。


(医薬品) : 原材料の値上げによる取引先の製造量の減少が、ボディブローのように響いてきている。

<サービス業>


(飲食) : 暖冬のおかげでここまで堅調だったが、降り始めから客足に影響している。暖冬でなければよくないかもしれない。

(運輸) : 業界内では、ドライバー不足が深刻な問題として、今後も見通しが立たない状況。抜本的な打開策を業界を挙げて真剣に取り組む必要があると思います。


(タクシー) : 地方の景況感は一向に好転しないうえに利用者はごく限られた年齢層に絞り込まれている。マイナス金利導入で市場が冷え込むことが心配だ。