平成27年10月新潟市早期景気観測調査結果

【概要】回復基調は継続するも足踏み状態、先行きはやや不透明感がひろがりつつある

  9月に比べると、仕入単価DIと業況DIで下降したものの、売上DI・採算DIでマイナス幅が縮小し従業員DIでプラス幅が3カ月振りに拡大するなど、引き続き回復基調にはあるが持ち直しの動きは緩慢である。
 また、人件費の高騰や仕入価格の上昇分を価格転嫁できないなど、売上の増加以上に経費の上昇が大きく、経営的には苦しい状況が続いている先も目立っている。
 先行きについては、9月に比べ売上DIでプラスに転じ従業員DIでプラス幅を拡大したものの、採算DIでマイナスに転じ、仕入単価DIと業況DIでマイナス幅が拡大しており、やや不透明感が広がりつつある。




【前年同月比】

H26年
10月
11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 H27年
10月
売上 ▲ 17.4 ▲ 12.3 ▲ 21.6 ▲ 36.6 ▲ 11.6 ▲ 11.4 ▲ 3.8 3.9 3.9 ▲ 6.8 3.9 ▲ 6.5 ▲ 2.9
採算 ▲ 22.5 ▲ 20.8 ▲ 32.4 ▲ 32.7 ▲ 17.9 ▲ 28.6 ▲ 8.6 4.9 1.0 ▲ 1.9 ▲ 1.0 ▲ 12.0 ▲ 3.9
業況 ▲ 23.5 ▲ 24.5 ▲ 36.3 ▲ 33.7 ▲ 13.7 ▲ 21.0 ▲ 12.4 2.9 4.8 ▲ 4.9 ▲ 1.9 ▲ 10.9 ▲ 13.5
仕入単価 ▲ 37.8 ▲ 34.9 ▲ 35.3 ▲ 27.7 ▲ 28.4 ▲ 41.0 ▲ 35.2 ▲ 35.3 ▲ 29.8 ▲ 28.2 ▲ 26.0 ▲ 23.9 ▲ 34.6
従業員 13.3 17.0 25.5 21.8 23.2 17.1 16.2 15.7 16.4 23.3 19.2 18.5 23.1


1.調査概況報告

【全産業平均DI】 
 
 全産業の前年同月比では、9月に比べ仕入単価DIで10.7ポイン、業況DIで2.6ポイントそれぞれマイ
ナス幅が拡大したものの、売上DIで3.6ポイント、採算DIで8.1ポイントそれぞれマイナス幅が縮小し、
従業員DIではプラス幅が4.6ポイント拡大した。
 先行きは、売上DIで12.0ポイント上昇しプラスに転じたほか従業員DIでもプラス幅が3.8ポイント拡大
したが、仕入単価DIで2.5ポイント、業況DIで8.1ポイントそれぞれマイナス幅が拡大し、採算DIでは
15.5ポイント下降しマイナスに転じた。



【業種別DI】 

  建設業は前年同月比で9月に比べ、売上DIでプラス幅が6.3ポイント拡大し業況DIでマイナス幅が縮小し
たものの、採算DIでマイナスに転じたほか、仕入単価DIでマイナス幅が11.7ポイント拡大し従業員DIで
プラス幅が7.5ポイント下降した。先行きは、仕入単価DIでマイナス幅が18.0ポイント拡大したものの、
売上DIでプラスに転じたほか採算DI・業況DIでマイナス幅が縮小し、従業員」DIではプラス幅が11.7
ポイント拡大した。

 製造業は前年同月比で9月に比べ、売上DIでプラス幅が19.0ポイント縮小し業況DIでマイナス幅が8.
0ポイント拡大したものの、採算DIで10.0ポイント、仕入単価DIで8.0ポイントそれぞれマイナス幅が
縮小し、従業員DIでプラス幅が10.0ポイント拡大した。先行きは、仕入単価DIで6.0ポイント、業況D
Iで7.0ポイントマイナス幅がそれぞれ拡大したものの、採算DIでマイナス幅が縮小したほか、売上DIで
32.0ポイント、従業員DIで20.0ポイントそれぞれプラス幅が拡大した。

 卸売業は前年同月比で9月に比べ、仕入単価DIのみマイナス幅が14.3ポイント拡大したものの、売上・採
算・業況の各DI値でマイナス幅が縮小し、従業員DIでは16.1ポイント上昇しプラスに転じた。先行きは、
業況DIで38.0ポイント下降しマイナスに転ずるなど、全てのDI値が下降した。

 小売業は前年同月比で9月に比べ売上DIのみでマイナス幅が縮小したものの、採算・仕入単価・業況の各DI
値でマイナス幅が拡大し、従業員DIでプラス幅が3.6ポイント縮小した。先行きは、採算DIでマイナス幅が
13.1ポイント拡大し従業員DIでプラス幅が縮小したものの、売上DIでプラスに転じたほか仕入単価DI・
業況DIでマイナス幅が縮小した。

 サービス業は前年同月比で9月に比べ、仕入単価DI・業況DIでマイナス幅が拡大したものの、採算DIで2
8.1ポイント上昇しプラスに転じたほか、売上でマイナス幅が縮小し従業員DIでプラス幅が拡大した。先行き
は、仕入単価DIで若干マイナス幅が縮小したものの、売上DIで27.8ポイント、採算DIで27.4ポイン
トそれぞれ下降しマイナスに転じたほか、従業員DIでプラス幅が縮小し業況DIでマイナス幅が拡大した。





【項目別評価】

 
<売上>
 売上DIの前年同月比は、製造業でプラス幅が縮小したものの、売上DIでプラス幅が6.3ポイン
ト拡大したほか卸売業・小売業・サービス業でマイナス幅が縮小したことから、全産業合計ではマイナ
ス幅が3.6ポイント縮小した。
 先行きについては、卸売業・サービス業で下降したものの、製造業でプラス幅が32.0ポイント拡
大したほか、建設業・小売業でもプラスに転じたことから、全産業合計では12.0ポイント上昇しプ
ラスに転じた。

<採算>
 採算DIの前年同月比は、建設業・小売業でマイナス幅が拡大したものの、サービス業で28.1ポ
イント上昇しプラスに転じたほか製造業・卸売業でもマイナス幅が縮小したことから、全産業合計では
マイナス幅が8.1ポイント縮小した。
 先行きについては、建設業・製造業でマイナスが若干縮小したものの、卸売業で32.5ポイント、
サービス業で27.4ポイントそれぞれ下降しマイナスに転じたことなどから、全産業合計では15.
5ポイント下降しマイナスに転じた。

<仕入単価>
 仕入単価DIの前年同月比は、製造業でマイナス幅が縮小したものの、サービス業でマイナス幅が2
5.9ポイント拡大したほか、建設業・卸売業・小売業でもマイナス幅が拡大したことから、全産業業
合計ではマイナス幅が10.7ポイント拡大した。
 先行きについては、小売業・サービス業で若干マイナス幅が縮小したものの建設業でマイナス幅が1
8.0ポイント拡大したほか、製造業・卸売業でもマイナス幅が拡大したことから、全産業合計ではマ
イナス幅が2.5ポイント拡大した。

<従業員>
 従業員DIの前年同月比は、建設業・小売業でプラス幅が縮小したものの卸売業で16.1ポイント
上昇しプラスに転じたほか、製造業・サービス業でもプラス幅が拡大したことから、全産業合計では
プラス幅が4.6ポイント拡大した。
 先行きについては、卸売業・サービス業でプラス幅が縮小したものの、建設業でプラス幅が12.3
ポイント拡大したほか製造業・小売業でも上昇したことから、全産業合計ではプラス幅が3.8ポイン
ト拡大した。

<業況>
 業況DIの前年同月比は、建設業・卸売業でマイナス幅が縮小したものの、小売業で10.7ポイン
ト、製造業で8.0ポイント、サービス業で5.9ポイントそれぞれマイナス幅が拡大したことから、
全産業合計ではマイナス幅が2.6ポイント拡大した。
 先行きについては、建設業・小売業でマイナス幅が縮小したものの、卸売業で38.0ポイント下降
しマイナスに転じたほか製造業・サービス業でも下降したことから、全産業合計ではマイナス幅が
8.1ポイント拡大した。




業界から寄せられた声


<建設業>

(土木工事) : 景気浮上に対し、設備投資が少しずつ上向いてきた


(左官工事) : 元請けからの受注は順調だが、仕事量を今の陣容では外注に依存せざるを得ないので、採算面は厳しい。


(電気工事) : JRも事故を起こさない対策をいろいろ立てており、それに伴った工事が早めに出てきている。


<製造業>

(食料品) : 売上が若干増しているが昨年から見ると仕入価格が上昇しているためよくない。


(日本酒) : 国内での伸びより輸出に活路を求める同業者が多数。

(建設用・建築用金属製品) : 鋼材は下がっているが、部品、機械製品は納期がかかり価格交渉は難しい状況。

<卸売業 >

(建設資材) : 住宅着工不振、新潟市域は大規模宅地開発がひと段落したか。


(医薬品) : 円安の影響で定期的に値上げが来ている。


<小売業>

(自動車) : 新車販売において、消費税引き上げの反動が減ってきている。

(家具・建具・じゅう器) : 仕入単価の上昇は、さすがに落ち着いてきたが、昨年比では相当の差がある。

<サービス業>


(ホテル) : インバウンドの宿泊が好調。一方、大型宴席、婚礼が減少。

(運輸) : 業界内では、依然としてドライバー不足が深刻な問題として労働環境の改善や、職場の福利厚生など、働きやすい環境を整えていく必要がある。


(飲食) : 原材料費の上昇で粗利益率が下がっているのが痛い。現状では価格を上げることには慎重になってしまう。