平成27年8月新潟市早期景気観測調査結果

【概要】緩やかながらも回復基調を継続、先行きはやや慎重な姿勢

  7月に比べると、従業員DIでやや下降したものの、採算・業況・仕入単価の各DI値でマイナス幅が減少し売上DIでプラスに転ずるなど、景況はこれまでの回復基調を緩やかながらも維持している。
また、燃料費の下降などによる輸送コストが軽減しているとする一方、人手不足による人件費の高騰や原材料の高騰が続いているとする先が依然として目立っている。
 先行きについては、7月に比べ仕入単価DIのみマイナス幅を縮小した以外は下降を示し、特に採算・業況DIではマイナスに転ずるなど、やや慎重な見方が広がっている。




【前年同月比】

H26年
8月
9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 H27年
8月
売上 ▲ 12.6 ▲ 7.3 ▲ 17.4 ▲ 12.3 ▲ 21.6 ▲ 36.6 ▲ 11.6 ▲ 11.4 ▲ 3.8 3.9 3.9 ▲ 6.8 3.9
採算 ▲ 15.3 ▲ 22.0 ▲ 22.5 ▲ 20.8 ▲ 32.4 ▲ 32.7 ▲ 17.9 ▲ 28.6 ▲ 8.6 4.9 1.0 ▲ 1.9 ▲ 1.0
業況 ▲ 18.9 ▲ 20.2 ▲ 23.5 ▲ 24.5 ▲ 36.3 ▲ 33.7 ▲ 13.7 ▲ 21.0 ▲ 12.4 2.9 4.8 ▲ 4.9 ▲ 1.9
仕入単価 ▲ 45.1 ▲ 39.5 ▲ 37.8 ▲ 34.9 ▲ 35.3 ▲ 27.7 ▲ 28.4 ▲ 41.0 ▲ 35.2 ▲ 35.3 ▲ 29.8 ▲ 28.2 ▲ 26.0
従業員 13.5 14.7 13.3 17.0 25.5 21.8 23.2 17.1 16.2 15.7 16.4 23.3 19.2


1.調査概況報告

【全産業平均DI】 
 
全産業の前年同月比では、7月に比べ従業員DIでプラス幅が4.1ポイン縮小したものの、採算DIで0.9
ポイント、業況DIで3.0ポイント、仕入単価DIで2.2ポイントそれぞれマイナス幅が縮小したほか、売上
DIでは10.7ポイント上昇し2か月ぶりにプラスに転じた。
 先行きは、仕入単価DIのみマイナス幅が7.0ポイント縮小したが、売上DIで1.1ポイント、従業員DI
で6.0ポイントプラス幅が縮小し、採算DIと業況DIではそれぞれ6.8ポイント下降しマイナスに転じた。



【業種別DI】 

  建設業は前年同月比で7月に比べ、採算DIでプラス幅が拡大し仕入単価DIでマイナス幅が縮小したものの、
売上DIで15.6ポイント下降しマイナスに転じたほか、従業員DIと業況DIでも下降となった。先行きは、
採算DIと仕入単価で上昇したものの、従業員DIでプラス幅が14.4ポイント縮小したほか売上DIと業況D
Iでも下降となった。

 製造業は前年同月比で7月に比べ、売上DIで11.9ポイント、業況DIで8.6ポイントそれぞれ上昇しプ
ラスに転じたが、従業員DIでプラス幅が縮小し仕入単価DIでマイナス幅が拡大した他、採算DIで16.9ポ
イント下降しマイナスに転じた。先行きは、従業員DIのみプラス幅が縮小したが、売上DIでプラス幅が20.
1ポイント拡大した他、採算・仕入単価・業況の各DI値でも上昇となった。

 卸売業は前年同月比で7月に比べ、仕入単価DIでマイナス幅が拡大したものの、採算DIで5.6ポイント、
従業員DIで12.3ポイント、業況DIで1.1ポイントそれぞれ上昇した。先行きは、従業員DIのみ12.
3ポイント上昇しプラスに転じたが、売上DIでプラス幅が11.1ポイント縮小し仕入単価DIでもマイナス幅
が拡大したほか、採算DIで18.9ポイント下降しマイナスに転じた。

 小売業は前年同月比で7月に比べ売上DIのみマイナス幅が縮小したものの、採算DIでマイナス幅が25.0
ポイント拡大した他、仕入単価DI・業況DI・従業員DIでも下降した。先行きは、仕入単価DIのみマイナス
幅が縮小したものの、業況DIでマイナス幅が25.9ポイント拡大したほか、売上DI・採算DIでもマイナス
幅が拡大した。

 サービス業は前年同月比で7月に比べ、従業員DIでプラス幅が縮小したものの、仕入単価DIでマイナス幅が
縮小した他、売上DIで30.5ポイント、採算DIで12.4ポイント、業況DIで18.5ポイントそれぞれ
上昇しプラスに転じた。先行きは、仕入単価DIで若干マイナス幅が縮小したものの、従業員DIでプラス幅が縮
小し、売上DI・採算DI・業況DIではマイナスに転じた。




【項目別評価】

 
<売上>
 売上DIの前年同月比は、建設業でマイナスに転じたものの、製造業で12.9ポイント、サービス
業で30.5ポイントそれぞれ上昇しプラスに転じたほか、小売業でもマイナス幅を縮小したことなど
から、全産業合計では10.7ポイント上昇しプラスに転じた。
 先行きについては、製造業でプラス幅が20.1ポイント拡大したものの、卸売業でプラス幅が11.
1ポイント縮小したほか、小売業・サービス業でマイナスに転じたことなどから、全産業合計ではプラ
ス幅が1.1ポイント縮小した。

<採算>
 採算DIの前年同月比は、製造業でマイナスに転じ小売業でもマイナス幅が25.0ポイント拡大し
たものの、建設業でプラス幅が15.0ポイント拡大したほか卸売業・サービス業でも上昇したことか
ら、全産業合計ではマイナス幅が0.9ポイント縮小した。
 先行きについては、建設業・製造業でプラス幅が拡大したものの、卸売業で18.9ポイント、サー
ビス業で21.3ポイントそれぞれ下降しマイナスに転じたほか、小売業でもマイナス幅が拡大したこ
とから、全産業合計では6.8ポイント下降しマイナスに転じた。

<仕入単価>
 仕入単価DIの前年同月比は、製造業・卸売業・小売業でマイナス幅が拡大したものの、建設業で3
3.3ポイント、サービス業で6.7ポイントそれぞれマイナス幅が縮小したことから、全産業合計で
はマイナス幅が2.2ポイント縮小した。
 先行きについては、卸売業でマイナス幅が拡大したものの、建設業で23.3ポイント、小売業で3
3.3ポイントそれぞれマイナス幅が縮小したことなどから、全産業合計ではマイナス幅が7.0ポイ
ント縮小した。

<従業員>
 従業員DIの前年同月比は、卸売業で12.3ポイント上昇しプラスに転じたものの、小売業でプラ
ス幅が25.0ポイント縮小したほか、建設業・サービス業などでもプラス幅が縮小したことから、全
産業合計ではプラス幅が4.1ポイント縮小した。
 先行きについては、卸売業でプラスに転じたものの、建設業で14.4ポイント、サービス業で16
.7ポイントそれぞれプラス幅が縮小したことなどから、全産業合計ではプラス幅が6.0ポイント縮
小した。

<業況>
 業況DIの前年同月比は、建設業・小売業でマイナス幅が拡大したものの、製造業で8.6ポイント、
サービス業で18.5ポイントそれぞれ上昇しプラスに転じたほか、卸売業でもプラス幅が拡大したこ
となどから、全産業合計ではマイナス幅が3.0ポイント縮小した。
 先行きについては、製造業でマイナス幅が8.7ポイント縮小したものの、小売業でマイナス幅が
拡大しサービス業でマイナスに転じたことなどから、全産業合計は6.8ポイント下降しマイナスに転
じた。






業界から寄せられた声


<建設業>

(土木工事) : 受注物件が例年より少なく、受注獲得に難航。春先よりゆるやかな景気回復状況と言われてきているが足止まりとなってきている。


(設備工事) : 短期的で変化が大きいが、今年4月〜8月の公共工事指名件数が2件と少ない。第2四半期に期待するところであるが、同時に複数契約が難しいことから先行き厳しい状況を予測している。


(電気工事) : 夏期休暇もあり実働日数が少なく、売上を含め業況的にも良くない月である。


<製造業>

(食料品) : そこそこ売上的にはあったが思った以上にお中元が伸びなかった。また、仕入れについては取引業者が廃業するなどの事由で上昇している。


(プラスチック製品) : 昨年来高騰していた原料価格が、一部値戻しがあったことと、多少の価格転嫁により、採算性は、若干改善傾向になっている。

(その他の機械) : 販売不振が続いている。中国市場に底打ち感は見られるも、回復の見通し見えず。

<卸売業 >

(建築材料) : 災害復旧工事が一段落、役所発注件数減少により土木資材受注数減。


(機械・器具) : 設備投資に対する仕事はいくつかあるが、その後については不透明感がある。

(医薬品) : 消費税増税と円安の影響で業績回復の見込みが立ちません。


<小売業>

自動車) : 消費税引き上げに伴う反動減は落ち着いてきたが、軽自動車税引き上げによる反動減は続いており、全体では前年並みの販売台数で推移している。

(スーパー) : 原油価格下落により、一時的に運搬費が減っているが、その他の経費項目は増加が続いている。採用難もあり人件費も増加傾向が続いていることから、営業利益の確保に苦慮している。


<サービス業>


(ホテル) : 観光客の増加(海外インバウンド)や猛暑日が続きホテルでの涼みをされるゲストがみられ売上は増加。一方、天候不順(雨量の少なさ)で県産野菜が値上がっている。

(運輸) : 燃料費は一時的には下落し助けられているものの、その他の経費、特に人件費や傭車料は高騰している。大手荷主よりもむしろ中堅荷主の動向が全く読めない。積極的な運賃値上げを継続し、取組強化を図ってきたが、このところ物量低迷により一服感がある。先行き不透明が今後も続くものと思われる。

(タクシー) : 地方経済の上昇気配が感じられないため、営業利益が出ない状況が続く。夜の街は閑散としており、せいぜい新潟駅近辺での人の流れが見られるが、他の早い時間での公共交通機関を利用した帰宅が多い。