平成27年7月新潟市早期景気観測調査結果

【概要】回復基調に一服感、先行きはやや改善傾向

  6月に比べると、従業員DIと仕入単価DIでやや上昇したものの、売上・採算・業況の各DI値でマイナスに転じ、これまでの回復の動きが鈍化した感がある。また、小売業・サービス業では総じて回復感が乏しい状況にあり、建設業においては「公共工事の激減による売上減少」を訴える事業所がある一方で、「売上増と採算性の向上」から好転しているとする先もあり、ばらつきが見られる。
 先行きについては、6月に下降を示した売上・採算・仕入単価の各DI値で上昇に転じており、やや回復期待が窺えるものの一進一退の動きとなっている。




【前年同月比】

H26年
7月
8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 H27年
7月
売上 ▲ 5.2 ▲ 12.6 ▲ 7.3 ▲ 17.4 ▲ 12.3 ▲ 21.6 ▲ 36.6 ▲ 11.6 ▲ 11.4 ▲ 3.8 3.9 3.9 ▲ 6.8
採算 ▲ 24.0 ▲ 15.3 ▲ 22.0 ▲ 22.5 ▲ 20.8 ▲ 32.4 ▲ 32.7 ▲ 17.9 ▲ 28.6 ▲ 8.6 4.9 1.0 ▲ 1.9
業況 ▲ 16.7 ▲ 18.9 ▲ 20.2 ▲ 23.5 ▲ 24.5 ▲ 36.3 ▲ 33.7 ▲ 13.7 ▲ 21.0 ▲ 12.4 2.9 4.8 ▲ 4.9
仕入単価 ▲ 51.0 ▲ 45.1 ▲ 39.5 ▲ 37.8 ▲ 34.9 ▲ 35.3 ▲ 27.7 ▲ 28.4 ▲ 41.0 ▲ 35.2 ▲ 35.3 ▲ 29.8 ▲ 28.2
従業員 8.3 13.5 14.7 13.3 17.0 25.5 21.8 23.2 17.1 16.2 15.7 16.4 23.3


1.調査概況報告

【全産業平均DI】 
 
全産業の前年同月比では、従業員DIで6.9ポイントプラス幅が拡大し仕入単価DIではマイナス幅が1.6
ポイント縮小したものの、売上DIで10.7ポイント、採算DIで2.9ポイント、業況DIで9.7ポイント
それぞれ下降し3カ月振りにマイナスに転じた。
 先行きは、業況DIのみプラス幅が3.8ポイント縮小したが、仕入単価DIでマイナス幅が11.3ポイント
縮小し、売上DIで6.9ポイント、従業員DIで8.0ポイントそれぞれプラス幅が拡大したほか、採算DIで
は8.8ポイント上昇しプラスに転じた。



【業種別DI】 

  建設業は前年同月比で6月に比べ、従業員DIのみプラス幅が拡大したものの採算DIでプラス幅が縮小し、業
況DIでは22.3ポイント下降しマイナスに転じた。先行きは、仕入単価DIと従業員DIで横ばいだったもの
の、売上・採算・業況の各DI値でプラス幅が拡大した。

 製造業は前年同月比で6月に比べ、売上DIで32.7ポイント下降しマイナスに転じたが、従業員DIでプラ
ス幅が拡大し、仕入単価DIと業況DIではマイナス幅が縮小したほか、採算DIでは8.4ポイント上昇しプラ
スに転じた。先行きは、業況DIのみマイナス幅が4.7ポイント拡大したが売上DIと従業員DIでは小幅なが
らプラス幅が拡大し、仕入単価DIではマイナス幅が13.9ポイント縮小した。

 卸売業は前年同月比で6月に比べ、仕入単価DIでほぼ横ばいだったものの、売上DIで5.0ポイント、業況
DIで14.4ポイントそれぞれプラス幅が縮小し、採算DIと従業員DIではマイナスに転じた。先行きは、業
況DIでプラス幅が縮小し、従業員DIで5.6ポイントマイナス幅が拡大したものの、売上DIと採算DIでプ
ラスに転じ仕入単価DIではマイナス幅が49.4ポイント縮小した。

 小売業は前年同月比で6月に比べ採算DIでマイナス幅が9.1ポイント縮小し従業員DIでプラス幅が拡大し
たものの、売上DIでマイナス幅が24.2ポイント拡大したほか、業況DIでは17.4ポイント下降しマイナ
スに転じた。先行きは、従業員DIでプラス幅が拡大したものの、売上DIで45.5ポイント下降したほか採算
DIと業況DIではマイナスに転じた。

 サービス業は前年同月比で6月に比べ、従業員DIでプラス幅が拡大し売上DIでマイナス幅が縮小したものの、
採算DIで6.3ポイント、業況DIで16.1ポイントそれぞれ下降しマイナスに転じた。先行きは、仕入単価
DIと業況DIで若干下降したものの、従業員DIでプラス幅が23.1ポイント拡大し売上DIと採算DIでは
プラスに転じた。



【項目別評価】

 
<売上>
 売上DIの前年同月比は、サービス業でマイナス幅を縮小したものの、製造業で32.7ポイント下
降しマイナスに転じたほか卸売業・小売業でも下降したことなどから、全産業合計では10.7ポイン
ト下降しマイナスに転じた。
 先行きについては、小売業でプラス幅が45.5ポイント縮小したものの、建設業で11.1ポイン
ト、製造業で1.4ポイントプラス幅が拡大し、卸売業とサービス業でプラスに転じたことから全産
業合計ではプラス幅が6.9ポイント拡大した。

<採算>
 採算DIの前年同月比は、製造業でプラスに転じ小売業でもマイナス幅が9.1ポイント縮小したも
のの、建設業でプラス幅が5.6ポイント縮小したほか卸売業・サービス業でマイナスに転じたことか
ら、全産業合計では2.9ポイント下降しマイナスに転じた。
 先行きについては、小売業でマイナスに転じたものの、建設業で22.2ポイント上昇したほか、卸
売業・サービス業でプラスに転じたことから、全産業合計では8.8ポイント上昇しプラスに転じた。


<仕入単価>
 仕入単価DIの前年同月比は、サービス業でマイナス幅が若干拡大したものの、製造業・卸売業・小
売業でマイナス幅を縮小したことから、全産業合計ではマイナス幅が1.6ポイント縮小した。
 先行きについては、小売業とサービス業でマイナス幅がやや拡大したものの、製造業で13.9ポイ
ント、卸売業で49.4ポイントそれぞれマイナス幅が縮小したことから、全産業合計ではマイナス幅
が11.3ポイント縮小した。

<従業員>
 従業員DIの前年同月比は、卸売業で10.6ポイント下降しマイナスに転じたものの、小売業でプ
ラス幅が15.9ポイント拡大したほか製造業・建設業・サービス業でもプラス幅が拡大したことから、
全産業合計ではプラス幅が6.9ポイント拡大した。
 先行きについては、卸売業で5.6ポイント下降しマイナスに転じたものの、サービス業でプラス幅が
23.1ポイント拡大したほか、製造業・小売業でもプラス幅が拡大したことから、全産業合計ではプ
ラス幅が8.0ポイント拡大した。

<業況>
 業況DIの前年同月比は、製造業でマイナス幅が15.6ポイント縮小したものの、卸売業でプラス
幅が14.4ポイント縮小したほか建設業・小売業・サービス業でマイナスに転じたことから、全産業
合計では9.7ポイント下降しマイナスに転じた。
 先行きについては、建設業でプラス幅が16.6ポイント拡大したものの、小売業で44.7ポイン
ト下降しマイナスに転じたほか製造業・卸売業・サービス業でも下降したことから、全産業合計ではプ
ラス幅が3.8ポイント縮小した。





業界から寄せられた声


<建設業>

(建設工事) : 公共工事の上期引き合いが激減した。全国版の法人企業と縁ができ売り上げが確保できているが、
下半期これが無くなった時の対策が必要と判断している。


(設備工事) : 公共工事の減少、公共事業の発注遅れによる売上減。


(電気工事) : 工事が順調に入ってきており、売上は増加している。また、採算が取れる工事が増えている。


<製造業>

(食料品) : 商品については増加しているものがあるが全体的に見れば業界的には減少感が強い。


(プラスチック製品) : 原料(原油)の値戻しが若干有り、一息ついている。また来月より、原料の値上げが、予定されている。

(製鉄) : 地域別に段差はあるが、総じて足元は荷動きが悪いと感じている。

<卸売業 >

(家具・建具・じゅう器等) : 陶業界は相変わらず国内低調、輸出好調です。


(機械・器具) : 現在は若干の上向き状態ではあるが、下期以降は不透明感がある。

(医薬品) : 売上げの低迷から回復の兆しが見えない。


<小売業>

(自動車) : 登録車の販売は消費増税後の反動減が解消されつつあるものの、軽自動車に関しては軽自動車税引き上げの影響から減少傾向にある。全体としては前年並みにまで回復してきた。

(スーパー) : 全体としては昨年を確保するものの、天候の影響から水産、果実の売り上げが昨年を割っている、梅雨明け後の鰻、果実の販売に期待。

(石油製品) : 競合他店との価格競争厳しく粗利の確保が難しい。


<サービス業>


(ホテル) : 海外からの引き合いが増加傾向にある。また、宿泊・宴会ともに前年対比増加傾向にあり増益の見込み。一方、婚礼シーズンに向かい、国産牛などの需要が高まり値上げの傾向にある。さらに、天候不順による葉野菜の値上げが目立っている。

(飲食) : 景気回復の気配がなく宴会・披露宴共に低調である。プレミアム商品券の回収はあるが一過性と思われる。

(タクシー) : 営業収入が減少する中、人件費及び購入費が据え置き状態であることから営業利益が計上できない。