平成27年6月新潟市早期景気観測調査結果

【概要】景況は一部に弱い動きが残るものの回復基調、先行きはやや足踏み

  5月に比べると、採算DIのみ下降となったもののプラス水準にあり、業況・仕入単価・従業員の各DI値ではそれぞれ上昇しており、回復の動きを継続している。一方で、人件費の高騰や消費低迷が続くとする声が目立っており、小売業・サービス業ではやや厳しい状況にある。
 先行きについては、5月に比べると従業員DIを除く、売上・採算・仕入単価・業況の各DI値が下降しており、やや慎重な見方となった。




【前年同月比】

H26年
6月
7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 H27年
6月
売上 ▲ 11.4 ▲ 5.2 ▲ 12.6 ▲ 7.3 ▲ 17.4 ▲ 12.3 ▲ 21.6 ▲ 36.6 ▲ 11.6 ▲ 11.4 ▲ 3.8 3.9 3.9
採算 ▲ 17.5 ▲ 24.0 ▲ 15.3 ▲ 22.0 ▲ 22.5 ▲ 20.8 ▲ 32.4 ▲ 32.7 ▲ 17.9 ▲ 28.6 ▲ 8.6 4.9 1.0
業況 ▲ 20.2 ▲ 16.7 ▲ 18.9 ▲ 20.2 ▲ 23.5 ▲ 24.5 ▲ 36.3 ▲ 33.7 ▲ 13.7 ▲ 21.0 ▲ 12.4 2.9 4.8
仕入単価 ▲ 50.0 ▲ 51.0 ▲ 45.1 ▲ 39.5 ▲ 37.8 ▲ 34.9 ▲ 35.3 ▲ 27.7 ▲ 28.4 ▲ 41.0 ▲ 35.2 ▲ 35.3 ▲ 29.8
従業員 7.9 8.3 13.5 14.7 13.3 17.0 25.5 21.8 23.2 17.1 16.2 15.7 16.4


1.調査概況報告

【全産業平均DI】 
 
全産業の前年同月比では、採算DIで3.9ポイントプラス幅を縮小したものの、売上DIで横ばい
となり、業況DIで1.9ポイント、仕入単価DIで5.5ポイント、従業員DIで0.7ポイントそれ
ぞれ上昇した。
 先行きは、従業員DIのみプラス幅が3.5ポイント拡大したが、売上DIで10.9ポイント、業況
DIで1.1ポイントそれぞれプラス幅を縮小し、採算DIでは8.8ポイント下降しマイナスに転じたほ
か、仕入単価DIではマイナス幅が10.1ポイント拡大した。



【業種別DI】 

  建設業は前年同月比で5月に比べ、業況DIのみプラスに転じたものの仕入単価DIでマイナス幅が10.2ポ
イント拡大し、従業員DIでプラス幅が18.3ポイント縮小した。先行きは、従業員DIでプラス幅が15.
0ポイント拡大したものの、売上・採算・業況の各DI値でプラス幅が縮小し、仕入単価DIではマイナス幅が
15.6ポイント拡大した。

 製造業は前年同月比で5月に比べ、売上DIで37.6ポイント上昇しプラスに転じ、仕入単価DIでマイナス
幅が縮小したが、従業員DIでプラス幅が縮小し業況DIでマイナス幅が10.9ポイント拡大、採算DIでは
マイナスに転じた。先行きは、従業員DIのみプラス幅が7.4ポイント拡大したが、売上・採算DIでプラス幅
が縮小し、仕入単価DIでマイナス幅が12.7ポイント拡大したほか業況DIでは8.6ポイント下降しマイナ
スに転じた。

 卸売業は前年同月比で5月に比べ、業況DIでプラス幅が10.0ポイント拡大するなど全てのDI値で上昇と
なった。先行きは、業況DIで10.0ポイント上昇しプラスに転じたものの、仕入単価DIでマイナス幅が拡大
し売上DIでは10.0ポイント下降しマイナスに転じた。

 小売業は前年同月比で5月に比べ業況DIのみプラス幅が拡大したものの、売上・採算DIでそれぞれ29.1
ポイント下降しマイナスに転じたほか、仕入単価DIではでマイナス幅が6.4ポイント拡大した。先行きは、売
上・採算・業況の各DI値でプラス幅が拡大し、従業員DIで10.0ポイント上昇しマイナス水準を脱したもの
の、仕入単価DIではマイナス幅が24.6ポイント拡大した。

 サービス業は前年同月比で5月に比べ、従業員DIでプラス幅が拡大し、仕入単価DIでマイナス幅が16.6
ポイント縮小したが、採算DI・業況DIでプラス幅が縮小し、売上DIでは22.1ポイント下降しマイナスに
転じた。先行きは、仕入単価DIでマイナス幅が縮小したものの、従業員DI・業況DIでプラス幅が縮小し、売
上DIで25.8ポイント、採算DIで22.8ポイントそれぞれ下降しマイナスに転じた。



【項目別評価】

 
<売上>
 売上DIの前年同月比は、製造業でプラスに転じ卸売業でプラス幅が拡大したものの、小売業で29.
1ポイント、サービス業で22.1ポイントそれぞれ下降しマイナスに転じたことなどから、全産業合
計では横ばいとなった。
 先行きについては、小売業でプラス幅が15.5ポイント拡大したものの、建設業で18.3ポイン
ト、製造業で2.2ポイントプラス幅が縮小し、卸売業とサービス業でマイナスに転じたことから全産
業合計ではプラス幅が10.9ポイント縮小した。

<採算>
 採算DIの前年同月比は、卸売業でプラス幅を拡大したものの、小売業で29.1ポイント下降しマ
イナスに転じたほか建設業・製造業・サービス業でも下降となったことから、全産業合計ではプラス幅
が3.9ポイント縮小した。
 先行きについては、小売業でプラス幅が拡大したものの、サービス業で22.8ポイント下降しマイ
ナスに転じたほか建設業と製造業でもプラス幅が縮小したことから、全産業合計では8.8ポイント下
降しマイナスに転じた。

<仕入単価>
 仕入単価DIの前年同月比は、建設業と小売業でマイナス幅が拡大したものの、サービス業でマイナ
ス幅が16.6ポイント縮小したほか製造業・卸売業でも上昇したことから、全産業合計ではマイナス
幅が5.5ポイント縮小した。
 先行きについては、サービス業でマイナス幅が縮小したものの、小売業でマイナス幅が24.6ポイ
ント拡大したほか建設業・製造業・卸売業でも下降したことから、全産業合計ではマイナス幅が10.
1ポイント拡大した。

<従業員>
 従業員DIの前年同月比は、卸売業・サービス業でプラス幅が拡大したものの、建設業で18.3ポ
イント下降したほか製造業・小売業でも下降したことから、全産業合計ではほぼ横ばいとなった。
 先行きについては、サービス業で若干下降となったものの、建設業で15.0ポイントプラス幅が拡
大した他製造業・小売業でも上昇したことから、全産業合計ではプラス幅が3.5ポイント拡大した。


<業況>
 業況DIの前年同月比は、製造業でマイナス幅が拡大しサービス業でもプラス幅が縮小したものの、
建設業で34.4ポイント上昇しプラスに転じたほか卸売業・小売業でもプラス幅が拡大したことから、
全産業合計ではプラス幅が1.9ポイント拡大した。
 先行きについては、小売業でプラス幅が拡大し卸売業でプラスに転じたものの、建設業で12.1ポ
イント、サービス業で5.4ポイントそれぞれプラス幅が縮小し製造業でマイナスに転じたことから、
全産業合計ではプラス幅が1.1ポイント縮小した。



業界から寄せられた声


<建設業>

(土木工事) : 県内の公共投資は下向き気味であり、民間投資にもいま一歩力強さがない。来年以降に不安要素が多い。


(土木工事) : 国、県、市の補正予算がらみ工事に受注が思うようにとれなく、やや苦戦。昨年同時期より工事物件が少ない。


(電気工事) : 利幅が取れる工事が来ており、景気自体少しずつ良くなってきている。


<製造業>

(食料品) : 消費低迷により、市場ムードの減退。天産品の不作による原料の価格高騰、そして円安のため輸入材料の価格高騰。


(建築資材) : 首都圏の勢いが各地区にも少なからず好影響が波及している。

(その他の機械) : 市況低迷による販売不振が続き、1月から実施している生産調整解除の見通しが立たない。市況に底打ち感は見られるも、回復見通しは不透明。

<卸売業 >

(製材・木製品) : 昨年から続く消費増税以降の建築着工の落ち込みが尾を引き、依然低迷。建築需要大盛期にも関わらず活発な需要の盛り上がりが見られない。


(機械・器具) : 大きくはないが設備投資に対する受注も増え好転し始めている。

(建築材料) : 災害復旧が一段落、役所工事発注が減少土木資材受注量は少なくなっている。


<小売業>

(自動車) : 中古車・サービスが増収の反面、新車は軽自動車増税の影響で減収、トータルでは前年並み、3ヵ月後くらいには新車も前年並みに戻る見通し。

(家具・建具・じゅう器) : 業界内では、ばらつきがあるが、当社については、なかなか低水準から脱しきれない。


<サービス業>


(運輸) : 消費関連を中心に貨物量が低迷している。このまま夏の繁忙期に突入した場合、販売不振が影響してくることが懸念される。

(飲食) : 大企業の業績回復が交際費等の支出拡大につながらず、株式市場の盛況が末端の飲食業には届いていない。


(タクシー) : 好天が続いたことと景気回復の実感を感じられないことで、夜間の需要が落ちている。一部業種だけが伸びているようだが、市内の消費者マインドは未だに冷えているように感じる。