平成27年5月新潟市早期景気観測調査結果

【概要】景況は一部に弱い動きが見られるが回復傾向、先行きに期待感が広がりはじめる

  4月に比べると、売上・採算・業況の各DI値でそれぞれ上昇し、昨年3月の駆け込み需要以来のプラスとなった。原材料や燃料費の高騰、消費低迷が依然として続くとする声も根強いものの、消費税増税後の反動からようやく回復への兆しが見えてきた感がある。
 先行きについては、4月に比べると売上DIと業況DIでプラスに転じ、採算DI・従業員DIでプラス幅が拡大、仕入単価DIではマイナス幅が縮小するなど、全てのDI値が上昇しており、明るさが戻りつつある。




【前年同月比】

H26年
5月
6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 H27年
5月
売上 ▲ 23.4 ▲ 11.4 ▲ 5.2 ▲ 12.6 ▲ 7.3 ▲ 17.4 ▲ 12.3 ▲ 21.6 ▲ 36.6 ▲ 11.6 ▲ 11.4 ▲ 3.8 3.9
採算 ▲ 24.3 ▲ 17.5 ▲ 24.0 ▲ 15.3 ▲ 22.0 ▲ 22.5 ▲ 20.8 ▲ 32.4 ▲ 32.7 ▲ 17.9 ▲ 28.6 ▲ 8.6 4.9
業況 ▲ 21.5 ▲ 20.2 ▲ 16.7 ▲ 18.9 ▲ 20.2 ▲ 23.5 ▲ 24.5 ▲ 36.3 ▲ 33.7 ▲ 13.7 ▲ 21.0 ▲ 12.4 2.9
仕入単価 ▲ 49.5 ▲ 50.0 ▲ 51.0 ▲ 45.1 ▲ 39.5 ▲ 37.8 ▲ 34.9 ▲ 35.3 ▲ 27.7 ▲ 28.4 ▲ 41.0 ▲ 35.2 ▲ 35.3
従業員 12.2 7.9 8.3 13.5 14.7 13.3 17.0 25.5 21.8 23.2 17.1 16.2 15.7


1.調査概況報告

【全産業平均DI】 
 
全産業の前年同月比では、仕入単価DIと従業員DIでほぼ横ばいだったものの、売上DIで7.7ポ
イント、採算DIで13.5ポイント、業況DIで15.3ポイントそれぞれ上昇しプラスに転じた。
 先行きは、売上DIで20.5ポイント、業況DIで10.7ポイントそれぞれ上昇しプラスに転じた
ほか、採算DIで3.0ポイント、従業員DIで1.4ポイントそれぞれプラス幅が拡大し、仕入単価D
Iで10.7ポイントマイナス幅が縮小した。



【業種別DI】 

   建設業は前年同月比で4月に比べ、売上DIと従業員DIでプラス幅が拡大し仕入単価DIで20.3ポイント
マイナス幅が縮小したが、採算DIでプラス幅が縮小し、業況DIで24.0ポイント下降しマイナスに転じた。
先行きは、採算DIで36.5ポイント、業況DIで30.2ポイントそれぞれ上昇しプラスに転じたほか、全て
のDI値が上昇した。
 製造業は前年同月比で4月に比べ、採算DIと業況DIでマイナス幅を縮小し従業員DIでプラス幅を拡大した
が、仕入単価DIでマイナス幅が拡大し、売上DIで17.8ポイント下降しマイナスに転じた。先行きは、売上
DIで14.0ポイント上昇したほか仕入単価DIと業況DIでマイナス幅を縮小したものの、採算DIで3.7
ポイント、従業員DIで16.2ポイントそれぞれプラス幅が縮小した。
 卸売業は前年同月比で4月に比べ、採算DIで33.6ポイント、業況DIで29.1ポイントそれぞれ上昇し
プラスに転じ仕入単価DIでもマイナス幅を縮小したが、売上DIと従業員DIではプラス幅を縮小した。先行き
は、採算DIで若干マイナス幅が拡大したが、売上DIで19.3ポイント上昇しプラスに転じたほか仕入単価・
従業員・業況の各DI値でマイナス幅が縮小した。
 小売業は前年同月比で4月に比べ売上DIでマイナス幅が58.5上昇しプラスに転じるなど、全てのDI値が
上昇した。先行きは、売上DIで37.7ポイント上昇しプラスに転じたが、・従業員DI・業況DIで下降した。
 サービス業は前年同月比で4月に比べ、売上・採算・業況の各DI値プラスに転じたが、仕入単価DIで13.
9ポイントマイナス幅が拡大し、DIでプラス幅が縮小した。先行きは、採算DIでプラス幅が縮小したが、売上
DIで15.6ポイント上昇しプラスに転じ仕入単価DIでマイナス幅が縮小し、従業員DIと業況DIではプラ
ス幅が拡大した。





【項目別評価】


<売上>
 売上DIの前年同月比は、製造業でマイナスに転じ、建設業・卸売業でプラス幅を縮小したものの、
小売業で58.5ポイント、サービス業で28.2ポイントそれぞれ上昇しプラスに転じたことから、
全産業合計では7.7ポイント上昇した。
 先行きについては、小売業で37.7ポイント上昇しプラスに転ずるなど全ての業種で上昇したこ
とから、全産業合計では20.5ポイント上昇しプラスに転じた。


<採算>
 採算DIの前年同月比は、建設業でプラス幅を19.1ポイント縮小したものの、小売業で43.1
ポイント上昇しプラスに転じたほか製造業・卸売業・サービス業でもプラスに転じたことから、全産
業合計では13.5ポイント上昇しプラスに転じた。
 先行きについては、製造業とサービス業でプラス幅を縮小したものの、建設業で36.5ポイント上
昇しプラスに転じたほか小売業でもプラス幅が拡大したことから、全産業合計では3.0ポイントプラ
ス幅が拡大した。

<仕入単価>
 仕入単価DIの前年同月比は、建設業と卸売業でマイナス幅が縮小したものの、製造業で20.3
ポイント、サービス業で13.9ポイントそれぞれマイナス幅が拡大したことなどから、全産業合計
ではほほ横ばいとなった。
 先行きについては、卸売業でマイナス幅が17.4ポイント縮小したのをはじめ全ての業種でマイ
ナス幅が縮小したことから、全産業合計では10.7ポイントマイナス幅が縮小した。


<従業員>
 従業員DIの前年同月比は、建設業・製造業・小売業で上昇したが、サービス業でプラス幅が20.
3ポイント縮小したことなどから、全産業合計では0.5ポイント下降した。
 先行きについては、製造業でプラス幅を縮小し小売業でマイナスに転じたものの、建設業でプラス
幅が23.1ポイント拡大したことなどから、全産業合計では1.4ポイントプラス幅が拡大した。


<業況>
 業況DIの前年同月比は、建設業でマイナスに転じたものの、小売業で30.8ポイント上昇した
ほか卸売業・サービス業でプラスに転じたことなどから、全産業合計では15.3ポイント上昇しプラ
スに転じた。
 先行きについては、小売業でプラス幅が若干縮小したものの、建設業で30.2ポイント上昇しプラ
スに転じたほかサービス業でプラス幅が12.1ポイント拡大したことなどから、全産業合計では10.
7ポイント上昇しプラスに転じた。


業界から寄せられた声


<建設業>
(左官工事) : 大型公共工事及び民間工事が今後も順調に推移する予定。


(設備工事) : 第二四半期末まで太平洋側の仕事をすることになり盛況である。


(電気工事) : 業界的には受注は比較的安定しており、景気は良くなってきていると感じている。従業員は、退職者の補充が難しく不足気味である。


<製造業>
(食料品) : 国内産原料は減産による価格高騰、輸入品は円安により価格の上昇となっている。


(食料品) : 現状では売上増に寄与するものが無い状態であり、新規開拓及び新製品に努力する。

(その他の機械) : 業界の市況低迷による販売不振が続き、生産調整を実施している。市況に底打ち感は見られるも、回復見通しは不透明。

<卸売業 >


(建築資材) : 災害復旧が終わり工事発注が減少、環境は厳しくなっている。


(製材・木製品) : 春需を迎え、ようやく資材の動きが良くなったが今ひとつ力強さがない。

(医薬品) : 一部上場企業等の大企業の業績は良いが、中小企業は景気回復感はない。


<小売業>

(呉服・服地・寝具) : 昨年は消費増税の影響で悪すぎたので、今年は悪すぎた昨年対比より良く見えるだけの話。実際の売上・採算・業況は決して良いとは思えない。

(自動車): 昨年度の消費増税の駆込み反動減から、やや脱皮傾向にある。

(家具・建具・じゅう器) : 消費の低迷は、依然として継続し、景況回復待ちでは対応困難、現状打開策を講じないと先行きの見通しはない。


<サービス業>


(運輸) : 消費動向によって左右され回復傾向にあるものの、先行きが全く不透明な状況と言える。特に、原油価格が再び高騰すれば、業界全体の回復は見込めない。

(ホテル) : 婚礼や大規模学会があり収益は伸びる見込み。ただし、輸入商品の値上げが目立つ。


(タクシー) : 車の稼働率は若干上がったものの、1人当たりの単価が上がらず売上げが伸びない