平成26年10月新潟市早期景気観測調査結果

【概要】回復基調の動きにやや鈍化、先行きも不透明感が広がり始めた

  9月に比べると、仕入単価DI値は若干上昇したが、売上・採算・業況のDI値はマイナス幅を拡大し、従業員DIでもプラス幅を縮小した。このところの回復基調がやや停滞した感がある。  なお、依然として消費税増税後の反動減に続く消費マインドの冷え込みや、消費動向の変化を指摘する先が多いが、「企業努力で補っている」「無理な仕事、採算の取れない受注は受けない」といった声もある。また、為替相場の影響による原材料・燃料の値上げを危惧する意見が多く、売上増を凌ぐコスト増で利益が確保できないと訴える先も目立つ。  先行きについては、9月に比べると全てのDI値が下降し、不透明感が出始めている。




【前年同月比】

H25年
10月
11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 H26年
10月
売上 14.0 7.7 13.6 14.3 ▲ 2.9 35.9 ▲ 20.4 ▲ 23.4 ▲ 11.4 ▲ 5.2 ▲ 12.6 ▲ 7.3 ▲ 17.4
採算 ▲ 5.6 ▲ 2.9 ▲ 1.8 ▲ 7.6 ▲ 12.8 0.0 ▲ 24.8 ▲ 24.3 ▲ 17.5 ▲ 24.0 ▲ 15.3 ▲ 22.0 ▲ 22.5
業況 2.8 3.9 0.9 1.0 ▲ 4.9 20.4 ▲ 14.2 ▲ 21.5 ▲ 20.2 ▲ 16.7 ▲ 18.9 ▲ 20.2 ▲ 23.5
仕入単価 ▲ 38.3 ▲ 41.4 ▲ 42.7 ▲ 44.8 ▲ 52.0 ▲ 51.5 ▲ 57.5 ▲ 49.5 ▲ 50.0 ▲ 51.0 ▲ 45.1 ▲ 39.5 ▲ 37.8
従業員 24.3 18.3 14.6 17.1 24.5 22.3 23.0 12.2 7.9 8.3 13.5 14.7 13.3

1.調査概況報告

【全産業平均DI】 
  全産業の前年同月比では、9月に比べ仕入単価DIで1.7ポイントマイナス幅を縮小したが、売上DIで
10.1ポイント、採算DIで0.5ポイント、業況DIで3.2ポイントマイナス幅がそれぞれ拡大し、
従業員DIでは1.4ポイントプラス幅が縮小した。
 先行きは、採算DIで15.9ポイントマイナス幅が拡大し、売上DIではマイナスに転ずるなど、全ての
DI値が下降しており、これまでの回復期待から一転し、やや不透明な展開となっている。

【業種別DI】 
  建設業は前年同月比で9月に比べ仕入単価DI・従業員DIではやや上昇したものの、売上DIで43.8ポイ
ント、採算DIで28.8ポイント、業況DIで14.5ポイントそれぞれ下降し前月から一転してマイナスに転
じた。先行きは、採算DIでマイナス幅を拡大したものの仕入単価DIで6.7ポイント、業況DIで5.0ポイ
ントマイナス幅を縮小し、従業員DIでは12.6ポイントプラス幅が拡大した。
 製造業は前年同月比で9月に比べ、従業員DIで下降したものの売上DIで11.4ポイント、採算DIで31.
8ポイント、仕入単価DIで5.3ポイント、業況DIで14.8ポイントそれぞれマイナス幅を縮小した。先行
きは、売上DIでプラス幅をやや拡大したものの、採算DIで36.0ポイント下降しマイナスに転じたのをはじ
め、仕入単価DI・業況DIでもマイナス幅を拡大し従業員DIでマイナスに転じた。
 卸売業は前年同月比で9月に比べ、売上DIで14.0ポイント、業況DIで17.4ポイントマイナス幅を拡
大したが、採算DIで6.1ポイント、仕入単価DIで13.5ポイントマイナス幅を縮小し、従業員DIでは若
干ではあるがプラス幅を拡大した。先行きは、従業員DIで横ばいとなったが、売上DIと採算DIでマイナスに
転じ、仕入単価DIと業況DIでマイナス幅を拡大した。
 小売業は前年同月比で9月に比べ全てのDI値で下降した。特に採算DIでは36.5ポイントマイナス幅を拡
大し、過去1年間で最も低いものとなった。先行きは、仕入単価DIで5.8ポイントマイナス幅を縮小したが、
売上・採算・従業員・業況の各DI値ではマイナス幅が拡大した。
 サービス業は前年同月比で9月に比べ、従業員DIでプラス幅を若干縮小したが、売上DIでプラス幅を拡大し
採算・仕入単価・業況の各DIでマイナス幅を縮小した。先行きは、採算DIと業況DIでマイナス幅が若干縮小
したものの、従業員DIでプラス幅を縮小し、仕入単価DIで15.9ポイントマイナス幅が拡大、売上DIで7.
1ポイント下降しマイナスに転じた。



【項目別評価】
<売上>
 売上DIの前年同月比は、製造業で12.4ポイント、サービス業で1.8ポイント上昇したも
のの、建設業で43.8ポイント下降しマイナスに転じ、卸売業で・小売業でもマイナス幅を拡大
したことから、全産業合計では10.1ポイントマイナス幅を拡大した。
 先行きについては、製造業でプラス幅を若干拡大し建設業で横ばいとなったものの、小売業でマ
イナス幅を拡大し、卸売業で26.1ポイント、サービス業で7.1ポイントそれぞれ下降したこ
とから、全産業合計では6.1ポイント下降しマイナスに転じた。


<採算>
 採算DIの前年同月比は、製造業でマイナス幅を31.8ポイント縮小し卸売業・サービス業で
も上昇したが、建設業で28.8ポイント下降し小売業でも36.5ポイントマイナス幅を拡大し
たことから、全産業合計では0.5ポイントと僅かながらマイナス幅を拡大した。
 先行きについては、サービス業マイナス幅を縮小したが、建設業・小売業でマイナス幅を拡大し、
製造業・卸売業でマイナスに転じたことから、全産業合計ではマイナス幅を15.9ポイント拡大
した。

<仕入単価>
 仕入単価DIの前年同月比は、小売業でマイナス幅を18.6ポイント拡大したが、卸売業で1
3.5ポイントマイナス幅を縮小したほか、建設業・製造業・サービス業でもややマイナス幅を縮
小したことから、全産業合計ではマイナス幅を1.7ポイント縮小した。
 先行きについては、建設業・小売業でマイナス幅を縮小したものの、製造業・卸売業・サービス
業で下降したことから全産業合計では11.7ポイントマイナス幅を拡大した。


<従業員>
 従業員DIの前年同月比は、製造業・小売業でプラス幅を縮小したが建設業・サービス業でプラ
ス幅を拡大したことから、全産業合計ではプラス幅を1.2ポイント拡大した。
 先行きについては、製造業でプラス幅を縮小したものの建設業・サービス業でプラス幅を拡大した
ことから、全産業合計では0.3ポイント上昇した。

<業況>
 業況DIの前年同月比は、製造業・サービス業でマイナス幅を縮小したが、建設業で14.5ポ
イント下降しマイナスに転じたほか、卸売業・小売業でもマイナス幅を拡大したことから全産業合
計ではマイナス幅を3.2ポイント拡大した。
 先行きについては、建設業・サービス業でマイナス幅を縮小したものの、卸売業で24.6ポイ
ント、製造業で19.3ポイント、小売業で10.2ポイントそれぞれマイナス幅を拡大したこと
から、全産業合計では8.4ポイントマイナス幅を拡大した。

業界から寄せられた声


<建設業>
(電気工事) : 大企業には最高益との見出しが多く見られますが、零細企業、特に建設業の2次3次下請け企業にはほとんど恩恵はないと思われます。業務件数は増加傾向にあるため好転していると思われますが、内容的には余裕が感じられません。

(電気工事) : 工事が多くても外注を頼まなくてはならず、そうなると採算が取れなくなってしまう。

(設備工事) : 仕事量不足の価格競争で契約に至らない。


<製造業>
(食料品) : 仕入単価については刻々と値上がり傾向にある。

(建築用金属製品) :首都圏(東京・神奈川・埼玉)、北海道、東北は2〜3年先まで需要旺盛。東北の震災復興は人手不足や五輪需要特需で今後の進捗は計画より大幅に遅れる事が予想される。

(機械工具) :業界では、内需は堅調に推移しているものの、楽観視できない状況、外需も米国、欧州ではドイツを中心に堅調に推移しているが、不確実な部分ものこる。


<卸売業 >
(洋紙): 円安による原燃料や輸入資材の高騰によりメーカーは一層の価格改定を希望している中で、当社よりの売値は競争の激化により下落傾向でどうにも打つ手が見られない。

(陶器) : 増税反動だけでなく、消費動向の変化が加わり大変悪い状況。

(青果物) : 消費増税による売り上げ減の傾向は続いているが営業努力によりやや持ち直している。
<小売業>
(自動車) : 増税後の反動減が続いている。また売上減に加え、経費増となっている。

(家具・建具・じゅう器) : 消費税増税後の推移は、回復するどころかますます景況が落ち込んでいる。一部の業態は乗り越えているが、大半の業容は予想外の悪化展開に戸惑っているのが実情。


<サービス業>

(運輸) : 売上は微増だが、一方で経費がそれ以上に膨れている為、収支は悪化傾向が続いている。また、業界内では依然として人材不足が大きな問題となっている。年末の繁忙期を控えドライバーの確保が喫緊の課題である。

(ホテル) : 売上が増収しても仕入費用等がかさみ採算はかわらず、値下がる商品が見つけられないくらいである。


(タクシー) : 消費税増税後の買い控え等で消費者マインドが低迷し、悪天候・冠婚葬祭等での利用があるだけである。