平成26年5月新潟市早期景気観測調査結果

【概要】前月の落込みを回復できず、先行きは好転する声もあるが慎重な見方が多い

  4月に比べると、従業員DIはプラスを維持し雇用面では底堅い推移が続いているが、売上・業況DIではマイナス幅を拡大、採算DIでマイナス水準なまま横ばいとなるなど、全体的には消費税改定後の反動減からは脱していない状況にある。また、生鮮品などでは影響が限定的であったり落ち着いたとする一方、耐久消費財関連では今年後半まで影響が残るとしており、業種により差が生じている。
 先行きについては、需要の回復を期待する先もあるが、4月に比べると全てのDI値で大きな変化がなく、様子見状態が続いている。




【前年同月比】

H25年
5月
6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 H26年
5月
売上 10.0 0.8 5.6 9.9 14.6 14.0 7.7 13.6 14.3 ▲ 2.9 35.9 ▲ 20.4 ▲ 23.4
採算 ▲ 6.9 ▲ 2.3 ▲ 7.8 ▲ 3.6 1.0 ▲ 5.6 ▲ 2.9 ▲ 1.8 ▲ 7.6 ▲ 12.8 0.0 ▲ 24.8 ▲ 24.3
業況 0.0 2.3 1.1 2.7 4.9 2.8 3.9 0.9 1.0 ▲ 4.9 20.4 ▲ 14.2 ▲ 21.5
仕入単価 ▲ 33.1 ▲ 33.1 ▲ 41.1 ▲ 42.3 ▲ 45.6 ▲ 38.3 ▲ 41.4 ▲ 42.7 ▲ 44.8 ▲ 52.0 ▲ 51.5 ▲ 57.5 ▲ 49.5
従業員 4.6 13.1 21.1 21.6 19.4 24.3 18.3 14.6 17.1 24.5 22.3 23.0 12.2

1.調査概況報告

【全産業平均DI】 
  全産業の前年同月比では、4月に比べ売上DIで3.0ポイント、業況DIで7.3ポイントマイナス幅を拡大し
、従業員DIでは10.8ポイントプラス幅を縮小した。採算DIで0.5ポイント、仕入単価DIで8.0ポイント
マイナス幅をそれぞれ縮小したが、依然として低水準なままとなっている。
 先行きは、全体的に大きな変化はなく、売上DI・業況DIでほぼ横ばい、採算DI・仕入単価DIで若干マイナス
幅を縮小し、従業員DIではプラス幅やや縮小した。

【業種別DI】 
  建設業は前年同月比で4月に比べ売上DIで15.8ポイント、採算DIで2.0ポイント、従業員DIで28.6
ポイント、業況DIで20.6ポイント下降した。なお、仕入単価DIで若干マイナス幅を縮小したが依然として低水
準にあり、前月より厳しい状況となった。先行きも全てのDI値が下降しており、回復は時間がかかるものとみている。
 製造業は前年同月比で4月に比べ、仕入単価DI・従業員DI・業況DIで若干改善されたものの、売上DIで33.
0ポイント、採算DIで12.4ポイント下降しマイナスに転じた。先行きは、従業員DIでマイナスに転じたものの、
採算DIで29.0ポイント上昇しプラスに転じたほか仕入単価DI・業況DIでも上昇した。
 卸売業は前年同月比で4月に比べ、売上DIで30.1ポイント、採算DIで2.4ポイントマイナス幅をそれぞれ
縮小したが、仕入単価DI・業況DIでマイナス幅が拡大し従業員DIではプラス幅を縮小した。先行きは、売上DI
で若干マイナス幅を縮小した以外は下降となっており、厳しい見方となっている。
 小売業は前年同月比で3月に比べ、売上・採算・仕入単価・業況の各DIでマイナス幅を縮小したが、低水準にあり
消費税改定後の反動減が続いている。先行きは従業員DIで下降となったが、売上・採算・仕入単価・業況の各DIで
マイナス幅を縮小しやや回復期待が窺える。
 サービス業は前年同月比で4月に比べ、売上・採算・仕入単価の各DIでマイナス幅を縮小したが、従業員DI・業
況DIではやや下降した。先行きは売上・採算・業況の各DIではマイナス幅を縮小し、業況DIでほぼ横ばいとなっ
たが、従業員DIでプラス幅を11.5ポイント縮小した。


【項目別評価】
<売上>
 売上DIの前年同月比は、卸売業・小売業・サービス業でマイナス幅を縮小したが、建設業で15.
8ポイント、製造業で33.0ポイント下降してマイナスに転じたことから、全産業合計では3.0
ポイントマイナス幅を拡大した。
 先行きについては、製造業・卸売業・小売業・サービス業で若干上昇したものの、建設業で10.
1ポイント下降したことから、全産業合計ではほぼ横ばいでマイナス水準なままとなった。

<採算>
 採算DIの前年同月比は、卸売業・小売業・サービス業でマイナス幅を縮小したが、製造業で12.
4ポイント下降しマイナス域となったことなどから、全産業合計ではマイナス水準なままほぼ横ばい
となった。
 先行きについては、建設業・卸売業でマイナス幅を拡大したものの、製造業・小売業・サービス業
でマイナス幅を縮小したことから、全産業合計では8.3ポイントマイナス幅を縮小した。

<仕入単価>
 仕入単価DIの前年同月比は、卸売業でマイナス幅を拡大したが、建設業・製造業・小売業・サービ
ス業でマイナス幅を縮小したことから、全産業合計では8.0ポイントマイナス幅を縮小した。
 先行きについては、建設業・卸売業でマイナス幅を拡大したものの、製造業・小売業・サービス業
でマイナス幅を縮小したことから、全産業合計では4.9ポイントマイナス幅を縮小した。

<従業員>
 従業員DIの前年同月比は、製造業で若干上昇した以外は、建設業でプラス幅を28.6ポイント
縮小したのをはじめ卸売業・小売業・サービス業でもプラス幅を縮小したことから、全産業合計では
10.8ポイント下降となった。
 先行きについては、製造業で12.4ポイント下降しマイナスに転ずるなど全ての業種で下降した
ことから、全産業合計では9.6ポイントプラス幅を縮小した。

<業況>
 業況DIの前年同月比は、小売業でマイナス幅を縮小したが、建設業・卸売業・サービス業で下降し
たことから、全産業合計では7.3ポイントマイナス幅を拡大した。
 先行きについては、建設業でマイナスに転じたものの、製造業・小売業では上昇したことなどから
全産業合計ではほほ横ばいとなった。


業界から寄せられた声


<建設業>
(電気工事) : 工事が適度にあるため、業況は安定している。また、外注を使わなければ採算は取れる状況にあり、若干余裕がでてきた

(設備工事) : 原価割れの契約、大手企業の利益主義、国税の増加、良くなることへの期待感が薄れている。

(左官工事) : 輸入原料が軒並み上昇している為材料高となっている。若い技能労働者がいない。


<製造業>
(造作材・合板・建築用組立材料) : 消費税増税後の反動減が見られた4月・5月から、6月以降は徐々に増えていくものと期待する。なお、原材料費・運賃等の上昇、電力料の上昇等コスト上昇により採算は厳しい。

(機械工具) : 内需は堅調に推移しており、その背景には、生産性向上設備投資促進税制による需要喚起がある。外需は、欧州、北米の回復基調にアジアのスポット受注が加わり好調に推移している。

(畜産食料品) : 消費税8%の影響が有る。原材料の上昇を価格に反映できない。


<卸売業 >
(製材・木製品) : 4月の売上落ち込みは予想以上、5月も低迷は続くものと思われる。例年なら春の需要期のこの時期に月次決算が赤字になるのは痛い。

(洋紙) : 消費税増税前の駆け込み需要もほとんど見られなかったが4月・5月の荷動きは決して良くはなかった。

(機械器具) : 消費税増税の駆け込み需要の影響で売上が低迷している。1、2か月後までには需要が回復することを期待したい。


<小売業>
(スーパー): 食料品は消費税増税前の買いだめも多くなく、税率や表示にも慣れて来ていることから、節約志向は続くものの下落巾は小さい、ただし競合はより厳しさを増している。

(衣料) : GW期間中の施設への集客減に伴い、売り上げが減少し業況が悪化。なお、従業員は、市内で新規商業施設の開業等があり小売り店舗が増加したため慢性的に不足している。

(家具・建具・じゅう器):消費税駆け込み需要の反動は大きく、回復はなかなか見込めない状況。下半期まで影響するものとみざるをえない。


<サービス業>

(建築サービス) : 消費税増税により受注の落ち込みを多少予想していたが、全体的に影響はないように思う。ただ、景気の動向については相変わらず上向きを感じることはなく、悪くなってはいないが厳しい状態は変わらない

(飲食) : 駆け込み需要の反動としての外食の出控えがある。なお、消費税率が改訂されたが、一部価格転嫁できていない。

(タクシー) : 売り上げは前年同月と変わらないが、燃料費、油脂、自動車保険などの前年比増・高止まりが経営を圧迫している。景気の改善が本格的に喜べるのかはこの先数ヵ月を見る必要がある。